気が付けば
炭酸が抜けたサイダー
また次の不安が
家で寝転び ナイター ほら
また負けてんだ
お気に入りのハマ
きっとこの世は奇譚だ
おかしな話さ ほら
僕はずっと立っていたんだ
夏の窓際
君はいつも覗いていたんだ
古いファインダー
僕はずっと読んでいたんだ
灼けたサリンジャー
また雨だ 流れるナイター
通り過ぎるぬるい風が
うなじを縫った
昨日の事さ
功利主義を信じたあの子は
妥協で抱いた
よくある話さ
時計じかけのオレンジは
擦り切れるほど見飽きたもんさ
始まりはいつも雨
そこにいるのは誰
退屈を俯瞰で眺め
液晶はひどいモアレ
夏の河川敷は雨
君はご機嫌ナナメ
夕立とダルい風
憂鬱は青いんだね
雨上がりの埠頭の先で
水平線の向こうを見てた
起き抜けの深いコーヒーは
僕たちには早すぎたんだ まだ